犬派?猫派?という質問がよくあるけど、どっちか前提というのもよくわからない。
猫が嫌いだというと、「犬が人間にこびるのが嫌い」と反論のように言ってくる人がいて、「だから?」って感じである。
私は動物が大嫌いというわけではないけれど、かといって犬猫が無条件に可愛いとも全く思わなくて、子供の頃は犬を飼いたいと思ったことがあるけれど(アレルギー性喘息だったので無理)成長するにつれ興味は失った。
というより犬を飼っている友人の家に行って、やたら吠えられたので苦手意識が芽生えた。
とはいえ、可愛らしい犬を見ると、少し微笑ましいと感じるし、たまに見かける忠犬の動画などには感動もしてしまう。
でも、子猫はともかく(子供の動物は何でも可愛い)、成猫はどんな種類であれ、全く可愛いと思ったことがない。
何で可愛く思えないのと言われても、見た目が可愛いと思えない。目がギロっとしているし、ふてぶてしい表情だと思う。そして動き方がなんだか怖いし、鳴き声が無理である。
何でと言われても、正直こっちからすると、なぜあの見てくれと動きと鳴き声の猫が可愛いと思えるのか不思議である。
そもそも古来、猫というのは不気味に描かれている。エドガー・アラン・ポーの黒猫もそうだが、日本も化け猫だったり、廃墟にひそむ猫だったり、そういうゾッとする存在として描かれているのは、私のように感じる人も多いからだと思う。
私が好きな動物というのは象とかイルカとか、要するに自分の生活圏にない動物を非日常として見るのは好きである。賢いし、感情も感じる。タイの国立公園の滝で、おそらく一頭の象を助けようと群れの象が次々と溺れて死んだなどと聞くと涙が出る。
けれど猫というのは、そういう感動的な逸話もあまり聞かないし、正直言って特別視する理由がよくわからない。前に飼い主の子供が犬に襲われているところに体当たりして助けた猫が話題になったが、その猫には感心するし、好感を持った。でもそれはその猫個体のことであって、猫という種類の生き物全てへの見直しとはならない。
元々は鼠対策で人間が猫を飼うようになったのだと思うが、その気持ちの悪いネズミを食べたり殺したりする猫も同じくらい嫌だなと感じるし、昔は有効なネズミ対策だったのだろうが、それは古代の人間が洗濯に尿を使っていた、というのと同じような感覚。
もうそんなネズミ対策はしたくないのに、「飼う」というところだけ残っていて、愛情を持つ人が出てきたのだなと捉えている。
そうはいっても、猫がこの世に存在しているのは仕方がないことなので、こちらとしてはできるだけ接触しないように気をつけているだけなのだが、猫が好きじゃないことそのものを何か欠陥のように思う人が多くて、何だか傲慢だと感じている。
「何かトラウマでもあるの?」
「猫が犬みたいに人間に忠実じゃないから?」
…何で明確な理由を求めたがるのだろう?ネズミでも虫でも嫌いと言って理由は求められないことが普通だ。
「私の知り合いで猫嫌いだったのだけど飼ってみたらメロメロになった人がいる」
おそらく、そのお知り合いは、そこまで嫌いだったわけじゃないんだと思いますよと言いたい。
そもそも私は飼うとかありえない。家族が拾ってきたりしても(私の家族も猫嫌いなのでありえないが)絶対に許さない。自分の居住範囲内に猫が入り込むなど耐えられない。
よく出来上がった料理を見つめる猫、というのを愛しげに写真に撮ってる人がいるが、正直言って衛生観念が信じられないと思って見ている。
前に猫が好きじゃない同僚と、猫好きな別の同僚のSNSの「うちの猫写真」について盛り上がったことがあるが、できあがった洗濯物に戯れる猫、とか、猫とキスせんばかりの写真とか、き、汚い…と思ってしまうのだ。
私の経験から言うと、猫好きな人というのは「人が猫を可愛いと思えない」ということが受け入れられないことが多いような気がする。
何か食わず嫌い、心が狭い、などという感じでこられるので、正直愉快じゃない。
こちらとしては、猫好きな人に上で書いたようなことをいうと、まるで性格が悪いかのような扱いをうけるので、苦手である、としか言わないのだが、それは矯正すべきことだと考える人が多い気がする。
私は犬バカな人もあまり好きじゃないが、こちらはまだ理解できる。
というのは犬バカな人というのは大概自分が飼ってる犬に対してバカである。親バカに似た感覚で、そりゃ自分が育ててる犬なのだから、さぞかし可愛いんだろうと理解できる。
しかし世の中のすべての猫が可愛いという感じの猫バカな人が多いと感じている。
そういう人が、こちらの猫嫌いを矯正すべきこと、かのように思っている。
私から言わせれば、飼ってる猫が可愛くて仕方ないのは理解できるが、そこらへんの猫全てを「猫だから」という理由で特別視している、その感覚が謎すぎるのである。
時々猫嫌いに明確な理由を持ってる人がいて、「引っ掻かれたから」と言ってる人に「それは猫を驚かせたからでしょう、猫が悪いわけじゃない」と大真面目に反論する人がいる。
もうこういうのはちょっと異常なんじゃないかと思ってしまう。
猫が驚いたら引っ掻くのが生態なんだとしたら、それが嫌で何がそんなに納得いかないのか。
その引っ掻かれた人が「自分が驚かせたのが悪かった。引っ掻かれても当然だ」と思わなきゃいけないのか。
猫に引っ掻かれて「怖い」と思うようになることを何故「間違ってる」などと言われなきゃならないんだ。
蛇に噛まれたら怖いのと同じである。
野良猫が飢えたり寒さで死ぬリスクに耐えられず、すべての猫を保護すべき(税金で?!)、などと言い、それに賛同しかねていると心がないかのようにいう人がいる。
しかしである…
こちらとしては野良猫もネズミもあまり違いがない種類の生き物なのである。
なぜ!?明らかにネズミと一緒にすべき動物ではないでしょう!
というのが猫好きな人なのだと思うが、なぜと言われてもなのである。
中には猫に虐待を加えて喜ぶ変質的な人もいるが、殆どの猫嫌いは猫を見て「ヒッ」と気味悪がり、触るなどもってのほかで、とにかく避けたいだけである。
別に猫好きな方が家で猫を可愛がり、世の中の猫を見て和んでることにはご勝手に、と思っているのだから、こちらがそうでないことを、そんなに矯正すべき欠陥のように言わないでもらいたい。
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