40代半ばに入った私が、10代の頃に出会った「ビバリーヒルズ高校/青春白書」、通称ビバヒル。

今回語っていきたいのが、バレリーである。
主役じゃないけど脇役では全くない!当時見ていたなら絶対に覚えているキャラ
このドラマは10年ほど続いた中で、主要人物が男女数人ずつ存在する。
この前、長々と語ったケリーは何と全シーズン出演しているのだけど

今回語りたいバレリーはシーズン5〜9までの出演で、しかもシーズン9の前半の前半までしか出ていないので、ケリーの半分にも満たないことになる。
それなのに同じくらい強烈な印象を残しているのがバレリー。
シーズン1〜4までしか出ていないブレンダ(そう考えると出演割合は同じくらいか)の場合は、何しろブランドンと共に完全に主役として登場しているから、誰もが覚えているのは当然だけど、バレリーは主役という立ち位置ではないにもかかわらず
なのである。
例えば、バレリーと入れ替わるようにして入ってきた悪女キャラのジーナの名前がすぐ出てくる人は多くない。
大学総長の娘、クレアも当初はちょっとイカれた女の子として出てきたものの、ビーチアパートに住み、デイビッド、スティーブとステディな関係に発展していたし、出演の長さもシーズン4〜7の終わりとバレリーより少し短い程度。だから存在は覚えている人も多いと思うけど、バレリーに比べたら「あの子の名前、何だっけ」となる人は多いと思う。
しかし昔見たままで、近年見返したりしていない人でも、バレリーの名を忘れてる人は殆どいない、そんな気がする。
バレリーは常に男を追いかけ回すが、あまり本命になれない
ここが当時も今も、ちょっと腑に落ちない点である。
ケリーがブロンドの魅力もあって美人キャラなのはわかるが、バレリーは美人というか、もう「美女」。
時々「今回はイマイチだな」と思う回もあったのだけど(一時的に太ったり、メイクのせいもあったのか)、デイビッドと結ばれる時をはじめとして、もう本当に綺麗だなあと思わされることが多かった。
しかし、ビバヒル人生を通してバレリーは、あまりモテていなかった。
もちろん登場時にスティーブに惚れられたり、ハニートラップも難なくこなせたり、もう少し後になっても金持ち男に気に入られたり、要するに
的なモテ方はしているのだが、ステディな関係に発展して本当に大事にされるという意味では、4シーズンちょっとの出演の中で
しかも、その期間(2回)も長くはない。
常に誰かにモーションかけたり、追いかけ回して体の関係にはなるものの、相手があまり本気にならない、という感じだった。
「ルールズ」でも読んだら?と思ってしまうくらい、ウザめな女、バレリー
1995年に刊行され、たちまち世界中でベストセラーになった、この恋愛指南本をご存知だろうか。
私もその昔読んで、結構影響されたところもある(笑)
この本は、まあ一言で言うと
という主旨なので、バレリーはその禁をおかしまくっている(笑)
まだ付き合っている感じでもない(ちなみに日本みたいに全員が告白みたいなガッチリした線引きがあるわけではないので、カップルによってデートから真剣交際の境目は異なると思う)時に、朝ご飯をもって押しかけたり、家までいつも誘いに来て、断られてもめちゃくちゃしつこく食い下がったり、レイ(ドナの元カレ)に至ってはホテルの朝ごはんを一緒に食べようと食い下がってひっくり返されたり。
ルールズ的には、まずすぐ寝ちゃうということからして言語道断なのだが、それだけではなくバレリーが男にすること全てがルール違反である。
押しかけたり、朝ごはんを持ってくるのはおろか、女たるもの自分から連絡したりデートに誘ったりするのもご法度なのである。
それにしても、このルールズって日本の場合は可愛かったり、美人だったりする子達は自然にやってることだった気がする。
自分から何かどうかしなくても、男の方から寄ってきて、熱心に口説き落とそうとしてくるのだから。
もちろん私も彼女たちの側に張り付いて監視していたわけではないので、実はそうじゃない部分もあるのかもしれないけれど、私の中では、日本の美人はルールズなど読むまでもなくかぐや姫のように熱心に男たちに請われ、自分への情熱を証明して見せた男たちの中に心が動く人がいたら、苦しゅうない、とばかり付き合いだすという感じがする。
そこへいくとアメリカでは、美人でもむしろ女性からグイグイ仕掛けるもんなの?とバレリーの行動から考えてしまうものだった(ドラマとはいえね)。
まあしかし、そもそもルールズが売れたのも
に他ならない。それが逆に「目新しく」感じるものだったからこそ、読まれたのだから。
ちなみにこの本が刊行された後に始まった「アリー・マイラブ」で、この本を読んでるアリーをバカにするルームメイト、というシーンが出てくる。
私はめちゃくちゃ美人のアメリカ人の友達はいないし、北米人女性の友人知人は数人いるのだけど、彼女たちがどう仕掛けているのかについて、実際のところは知らないので、どうしてるのかはしらないけど、おそらく一般的にはルールズなんてものはバカにされているのではないかと思う。
まあ、あれはジェンダー的な意味でも馬鹿げていて、極端に過ぎると思うのだけど、さすがにバレリーみたいに自分に乗り気ではない男ばかり追いかけて、しかもしつこく迫っては嫌われているのを見ると、ルールズの細かいルールはともかくとして、その精神くらいは少し学ぶべきだと思う。
よくほくそ笑んで無敵感があるが、悪になりきれないバレリー
バレリーは基本、悪役であった。
しかし、あのウォルシュ家に住み、ブランドンに家族に近い存在として大事にされ、ブランドンの友人たちもケリーを除いては拒絶はしない。時々彼女の所業に呆れたり怒ったりしつつも許すし、チャンスをあげているのである。
ケリーでさえ、バレリーが妊娠騒ぎを起こしたときには率先して寄り添おうとした。
それでもやはり、ドナの男に手を出してしまったり、もちろんケリーの男にもちょっかいをかけ、そして常に何らかの悪巧みをする。
そんな時、バレリーはいつも片眉を上げてほくそ笑むのであった。
しかし、バレリーは「氷の微笑」のシャロン・ストーンみたいな手ぬかりのない冷徹な美女などではなく、
ということが多かった。
しかも嘘をついたり裏切ったりするようで、最後のところではブランドンのいうことを聞いて不倫相手から騙し取った10万ドルを返したり、本当はケリー達と仲良くしたくて旅行に参加したり(これはこれで、すごい心臓だけど笑)と、何だか憎みきれないところがあるのである。
しかも、デイビッドがバレリーに惚れるきっかけとなった、崖っぷちに連れて行って失っていた気力を取り戻させたシーンや、そこからかなり後のエピソードでデイビッドが哀れんで泊めた少年が黙って出て行こうとしているのを引き止めて考えを改めさせているシーンなど、
というところが時々あり、視聴者的にも嫌いになりきれない人物なのであった。
逆にいえばバレリーの後の悪役ジーナは、まあ事情があるにせよ、あまりそういうポジティブなところがなく、ほぼ嫌なやつでしかなかった(笑)
「誰しも完璧な人なんかいない=誰しもいいところと悪いところとある」みたいな強いコンセプトが一貫してあったビバヒルも、バレリーの退場で、善人のケリーとドナ、悪役ジーナ、となってしまったところから急速につまらなくなった感がある。
明かされる壮絶な過去。
これはネタバレなので、まだビバヒルを初めて見ている、という人は飛ばした方がいいのかもしれないが、
バレリーは実父に性的虐待をされていたという壮絶極まる過去がある。
設定としてはウォルシュ家のパパママが仲良くしていた友人ということになるのだろうから、ちょっとそぐわない気もするが、実際のこういう鬼畜も人には決してそんな顔を見せずに、良い家庭人として振る舞っているのだろう。
しかも実母も、バレリーがそれを告白するシーンや、後々のもっと踏み込んだシーンでの反応は
という感じであり、娘がそんな目に遭ってショック、死に物狂いで娘を守る、みたいな立場で語っていなかったのが残酷だった。
ちょっと想像を絶する。
しかし、この吐き気を催すような残酷な虐待は日本でも起こっていて、最近それについての裁判について読んだし、かなり昔のことだが娘がついに父を殺した事件もあった。
あまりにも常軌を逸した残酷さであるため、想像もつかないのだが、そういう虐待を受けた娘が歪まない方がおかしいだろうと思う。
ところでバレリー役のティファニー・ティーセンとケリー役のジェニー・ガースは出演当時は実は仲良しだったとか。
しかしバレリー降板後、なんかの番組で他の出演者の悪口を言ったりしたなどで、今は会っても会話を避ける仲らしい。
筆者はKindle本を出してます。よろしければ。Unlimited対象です。
コメント
私はブレンダが大好きだったから、ブレンダ降板後に新加入したバレリーは好きになれなかったな。今見ても、バレリーは美形だけど丸顔で好きな顔じゃないし。ブレンダと比べてたからかもしれないけどさ。
承認遅くなってすみません…
なんかバレリーが入ってドラマの感じも変わりましたもんね。
ブレンダ時代まではLAの若者にまつわる問題を扱う道徳番組っぽい面もあったのに、バレリーが登場してからそういう面がなくなってしまって。
でもデイヴィッドと付き合う頃は、ちょっとそういうのが戻ってきて、彼らが付き合っていた時のバレリーのキャラも好きでした。