飯塚事件の冤罪を否定することに思想の左右は関係ない

時々コメントで、困惑することがあって、つまり飯塚事件を冤罪だとして活動している人々を「左翼」と括って、「左翼の連中に対抗する私」という感じで応援されると、私は、うーん、その構図はやだなあと思うので語っておきたい。

そもそも、左なのか右なのか中道なのかという自意識もあんまり持っていなくて、私は個々のことに意見を持っている。私は左寄りなのだから、この問題はこういう立場にあるべきだ、とかいう発想はない。

ただ基本的に社会保障の基盤がない国、「自己責任」で弱者を切り捨てる国に未来はないと思っているし、アメリカ型(国保なし、格差社会)より欧州型(国保あり、高等教育無料、など。国によるけど米国との対比として)の方が好ましいと思っているので、その考えから現政権を色々批判したり、山本太郎氏や大石あきこ氏に共鳴している。

あと、フェミニストとか言われても困るんだけど、先進国的に普通の基準に日本が達していないので、普通に男女が同じ機会を得るべきだと思うし(それは逆に男性が育児を担当して転勤する妻の赴任先についていくことも普通の社会になって欲しいということ)、それを阻む意識を批判はしている。それは男性に対してだけではなく、女性もかなりそういう人は多いので、別に男性に対してのみ批判しているわけではない。重要なのは女性が活躍すべきとかではなくて、個人が性別やセクシャリティに関係なく個人の能力が発揮されうる社会であるということ。それぞれの傾向で個人を括るべきではないと考えている。しかし現時点で非常に強いジェンダーバイアスがあるわけだから、不均衡を是正するための策は導入せざるをえないと思う。

伊藤詩織さん→もちろん彼女は完全に被害者です。まずここでおかしいと思う人は「相手が酔っ払っていてまともな合意ができない状況で勝手に性行為に至れば、それはレイプ」という認識がない人。
彼女が酩酊状態だったことはタクシー運転手やドアマンの証言からわかる。
もし彼女が、ただ自分の酒量を超えて飲んでしまったのだとしても、それが「自己責任」とはならない。ここで「欧米だったら女性はもっと自己責任でー」と大勘違いなことを言う人がいるんだけど、それ、日本の女性をコントロールするために作られた「欧米伝説」の一つ。少なくともこれを振ってきたフランス人、英国人何人もにこの状況を説明しても「それで、その男が捕まらないのはなぜなの?アベと何か関係があるって本当?」と言ってます。
そこで私が、「いえ、男性と食事をし、酔っ払ってホテルに入ったのだからレイプではないと思う日本人が多いの。」と言ったら、「酔っ払っているのに、どうやって合意を取るの?」って、私の知人は男性が多いんだけど、みんなそう思うんだよ。
(ちなみに、彼らは私という日本人の存在で、日本の話題に目を向ける傾向があったので、英国人フランス人みんながこの話題を知ってるわけではありません)

もりかけさくら→はい、問題視してますよ。特にもり。まずあの偏った教育が恐ろしいけど、私立なのでまあそこは流すとして、そこに総理夫人たる昭恵さんが教育勅語を唱える児童らに感動しながら名誉校長になった。この時点でおかしいでしょ。夫人なんだから私人なんて言い訳にもならない。その後に国有地を爆安で払い下げになるとしたら、こんなことが許されてたら首相夫妻は国有地を私物化できるということになる。それが貴族政治じゃなくて何なの。亡くなった赤木さんは間違いなく正義感からの犠牲者で、ただの自殺と片付けられてはいけない。

あと、私には仲の良い韓国人の友達がいます。韓国に行ったことはないし、特別K-popにも興味はないけど、嫌韓みたいなこと言われるとキツいのでやめて欲しい。そして私もかなり昔は中韓との歴史問題に関して、「出来事自体は否定しないけど、数は盛ってるかな」という意識はうっすら持っていた。正直。でもこれを否定するのはrevisionist(歴史修正主義者)とされて、アジアではもちろん、知見ある欧米人の前でもアジア版ネオ●チみたいなヤバい人認定されるので、ネトウヨの皆さんは海外出る前にそれは知っといた方が良いよ。ちなみに私の知る韓国人が、そのことで私に詰め寄ってきたことは一度もない。たまにさらっと語られることはあるけど、センシティブということで基本的に避けます。

…という感じなのだけど、飯塚事件は普通に冤罪ではないので、冤罪ではないという証拠解説動画を作っている。

私は消極的にだけど死刑廃止支持側である。処罰感情はあるのだけど、欧州的な価値観に触れてしまうと、やはり死刑があること自体が「遅れた国」感は否めない。正直、私こそ「日本は素晴らしいって思われたい日本人」で、「えっ、日本って、まだ死刑あったの?知らなかった…」と驚愕される度に、うう…と思ってしまうのが本音だ。

しかし死刑廃止のために、真実を歪めて、偏向報道で人を騙して煽動するというやり方が横行する国というのはそれ以上にものすごく危険なので私は断じてそういうことは許さない。

これに右も左も関係ないのである。

普段日本のあれこれを批判はしているけど、少なくとも昭和50年代以降の日本は、この事件の冤罪番組が仄めかしているようなことがあるような恐ろしい国ではない。

足利事件は本人が自白して、しかも弁護士との接見時でも認めていたという。1審でも否認しなかったということなので、冤罪は不幸なことだったが、他に例のMCT118型DNA型鑑定だけで有罪としてしまったのも、落ち度ではあり、酷い間違いだったが、恐ろしい陰謀があったというものではないと思う。

飯塚事件を冤罪とするには、繊維鑑定の繊維は警察が服になすりつけたものだっただとか、A子ちゃんの血液を保存しておいてある程度劣化させ、後からシートの織布に付着させ、その織布を繊維鑑定のため預かっていた東レのリサーチャーにも偽証させ、森林組合の職員3人(目撃者と翌日話を聞いていたと法廷で証言した同僚と、最初に甘木署の巡査にうちの職場に紺色のワゴン車を見た人がいると話した人)に偽証させ、三叉路で子供たちを目撃した農協職員の若い女性も嘘をついたことになり、そこに居合わせた二人の男性の「紺色のボンゴ、黒いフィルムが貼られていた」というのも嘘だったと。

これだけの一般人を巻き込んで捏造していったというのだろうか。

そして何十人もの捜査員がいた中で、それだけの捏造が行われていたのを、全員が結託して何十年経っても告発する人が一人も出ないのだというのだろうか。

あの昭和30年代の冤罪を多数生んだ紅林麻雄の時でさえ、彼を告発する同僚警官は現れた。そのために彼は不遇の人生を歩むことになるが、その後紅林麻雄の拷問と捏造は発覚する。

私は昭和50年過ぎ生まれだが、昭和40年代に世相は一変したと考えている。1968年の世界的な社会運動から日本でも大規模な学生運動が起こり、「体制」というものへの反抗は誰もが臆することなくできるようになったし、それは今日の基盤になっていると思う。

はっきり言って、平成の日本で、そのような大規模な捏造が起こるようなことはない。

そういう馬鹿馬鹿しい陰謀論を巻き起こしているテレビ番組が本当に許せないと感じるから、こういうチャンネルをやっています。

Tamagoの事実探求
TVが冤罪だったと煽りまくる飯塚事件(1992)をはじめ、世の中に横行する情報操作や誤解、おかしなステレオタイプに挑んでいくチャンネルです。

 

コメント

  1. Tori より:

    主様、お久しぶりです
    「飯塚事件の冤罪を否定することに思想の左右は関係ない」
    本当にその通りですね
    最近、twitterで飯塚事件に関する発言を追っかけているんですが、何か右対左みたいな
    図式になっていることが多々あって頭痛がすることがあります
    で、「ネトウヨ」「何だとパヨク」みたいな不毛な争いになることもチラホラ
    飯塚事件の冤罪報道の問題の本質はそこではないんですけどね
    公の場で発言されると色々と変な絡み方をされることも増えて大変だと思いますが
    あまりお気になさらず、ご自分のスタンスを貫いて下さい
    季節の変わり目なのでお体には重々お気をつけて
    では失礼します

    • みずたま。 より:

      Toriさん、コメントありがとうございます。

      この問題に限らず、人が諸問題に個別に意見を持つ、ということを理解していない人が結構多いですね。
      Twitterでもそう感じます。
      左組、右組、中道組に分かれて運動会やってるわけじゃないので、この問題に関しては単純に「冤罪じゃないものを冤罪だと視聴者に確信させるような意図的な見せ方」を問題とするかどうかですね。

      いつも応援ありがとうございます。

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