この前、ロシアのボリショイバレエを舞台にした

で語ったことなのだけど、私はバレエ鑑賞が大好きで、結構世界の一流どころのバレエ団の公演を国内外で見てきた。
なので、バレエのプロフェッショナルになるための鍛錬を積んでいない女優がバレエダンサーとして演じる映画やドラマは気になっちゃって少し見づらい(お稽古事として昔やってたので久々に先生について特訓してもらいます!とか多いけど…)。
そういう点で、今回も主役を始め出てくるダンサーが、プロのキャリアがあるので見たドラマ、フレッシュ・アンド・ボーンについて。
Flesh and Bone ダークな部分を描き出した作品
ちなみにカタカナで「フレッシュ」って、fresh(新鮮な)が外来語として日本語に根付いているので連想されやすいと思うけど、
日本語でも「骨肉」という言葉を使うことがあるけれど、割とその言葉から連想されるのに近い雰囲気はあると思う。
バレエを扱った作品にありがちな
っていう要素はもちろんあるわけだけど、それ以外でも
だとか
だとか
だとか
8エピソードしかない中、なかなかのダーク要素盛り沢山な作品である。
もちろんフィクションだけど、何だかありそうだな〜という気もしてしまう。
ヨーロッパの主要なバレエ団は国立だったり王立だったりすることが殆どだけれど、アメリカの場合は多少の助成金はあるだろうけど、基本的には私立だから財政面の問題などで後ろ暗い部分も結構ありそうである。
主人公のクレアは兄から逃れたいのかと思いきや、結局共依存なのかという展開だったり、仲良くなるダフネというご令嬢がご令嬢でありながら何故かロシアンマフィアの経営するストリップクラブで働いていたりとか、
人間の行動は時として不可解で、第三者から見てこうあるべきだという風にいかない、というのを描き出しているのもリアリティがあって良かった。
出演ダンサーの皆が、プロとしてのキャリア
まず、主役のクレアを演じるサラ・ヘイはブラックスワンにも出演したことがある。アメリカンバレエシアター(ABT)の付属学校に通い、ドイツのドレスデンにあるバレエ団に22歳の時に所属。現在はフリーランスのバレリーナ(結構そういうダンサーはいるのだ)として活躍中。
バレエ団の看板バレリーナのキーラを演じるイリーナ・ドヴォロウェンコ(って発音するのかな?Dvorovenko)はウクライナ出身で18〜19歳でキエフバレエでプリンシパル(最高位のタイトル)ダンサーになっている。ソ連崩壊後、アメリカではトップの一つであるABTに移籍し、そこでもプリンシパルに上り詰めたのだから、これはもう役柄以上の世界レベルのダンサーなのだ。
また、クレアのルームメイトでありながら、クレアに嫉妬が隠せないミアを演じたエミリー・タイラはボストンバレエにかつて所属し、ミネアポリスのバレエ団に移籍してからはクラシックよりもより現代的なダンスに重点を置いたダンサーとして踊っているということ。
また、バレエ団の中で孤立していたクレアと唯一友達になったダフネ役を演じたレイチェル・ダイアン・ウィーナー。彼女はセントルイスバレエ、オレゴンバレエシアター、アリゾナバレエでキャリアを積んだ後、Post:Ballet (文字通りの直訳なら、”バレエ後”?)という変わった名前のカンパニーに所属し、プリンシパルとして活躍しているそうである。
これは、前に紹介した「ボリショイ・バレエ〜2人のスワン〜」よりも全体の演じ手達のバレエキャリアは凄いかもしれない。
だから稽古シーンとかもバレエファンには眼福である。
サラ・ヘイはプリンシパルとかではないかもしれないが、プロポーションが奇跡的である。
胸が大きすぎるということで、胸を落とす整形をすべきではないかとか、重い、とか言われることもあったというが、頭から首のラインが生身の人間とは思えない比率。
顔立ち自体は、日本人からすると「なぜ彼女が超美人という役なのか?」と思えてしまうかもしれないが(ちょっと鼻が幅広ですな)、あの表情とかバレリーナの雰囲気がすごい。
これは、1シーズン完結で違和感ない
レビューなどを見ていると「シーズン1で打ち切りになった」という書き込みが目立ったので、そのつもりで見始めたのだが、見終わってみると
いや、各人物のカットの入れ方も(ホームレス?ロメオとクレアの兄も含め)、話の終わり方も、かなりエンディングっぽかった。
見終わった後に、面白い映画を見終わった時と同じように、少しボーッとエンドロールを見つめてしまったし、その後1時間くらいは余韻が残っていた。
あれで話が続くとしたら、ちょっと下り坂になるのではないかなと思う。
打ち切り感が凄いのは

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