Amazon Primeといえば、配送料無料とかをきっかけに入る人も多いと思うが(私がそうで、初月無料と思ってなんとなく入って解除し忘れたクチ)、
それについては
こちらで熱く語ったのだけど、今回はそのうちの一つ、見放題の配信海外ドラマに最近加わった
というヅラを被る(法廷)弁護士のシリーズをお勧めする。
英国ドラマがアメドラより好き
実は私は英国ものがアメリカものより結構好きである。
欧州の中でも、結構古い習慣を誇りにしていて固持している様子が好きである。それでいてロンドンのファッションとかは斬新で、人の意識もアメリカに比べると保守的ではないと思う。
英国の映画やドラマは結構昔から白人以外の人々が主要な役どころに出てきたり、異人種間でつるんだり付き合ったりする様子が出てくるが、これは単なるポリコレ(Political Correctness、直訳すると政治的な正しさ…、アメリカでは意識的に色んな人種を起用しようというところがあるらしい)だけではなくて、
と実際に昔留学していた時に感じた。それぞれのグループとして存在してる面もあるだろうが、街では普通に異人種カップルや学生グループが多い。
逆に、SATCなど、ニューヨークというアメリカの中でも多人種がいるコスモポリタンとして突出している都市を舞台にしたものでも、異人種の組み合わせは同僚とか店員と客、または大人数の集まりでは白人主人公の友人として出てきても親友レベルでは出てこない気がする。
その点、グレアナは違うけど

このドラマはポリコレの典型と呼ばれてるらしいし…
まあ、そういったこともあって、なんとなく色んな人種が普通に出てくる英国ドラマの方がやっぱり何となく好ましい。
それでありながら、今回注目する「法廷弁護士のヅラ」もそうだけど伝統へのこだわりとか、アメドラみたいに人がイイ奴かやな奴か、というわかりやすい線引きがなくて、色々薄暗い描写があるところとか、
私みたいな屈折したタイプには英ドラのノリって合うのである。
イギリスだけじゃない!日本人にあまり馴染みのない「ヅラをかぶる」法廷弁護士
ちょっと前置きから入ると、法廷弁護士がヅラと時代錯誤な法衣服をまとってるのは英国だけではない。
「イギリス連邦(オーストラリア、NZ、またアジア、アフリカの旧英領)」の国々でも結構同じシステムらしい
これ、意外と知らない日本人が多いのだけど、
前にカナダのコインはなぜエリザベス2世なの?他所の国の女王でしょう?と言ってた日本人(決して無知な人ではない)がいるのだけど、
もちろん今は植民地ではなく、各々独立してるのだけど、女王はエリザベス2世。日本には天皇がいるから大統領がいないのと同じで、カナダにもオーストラリアやニュージーランドにも大統領はいなくて首相が政治のトップになってるのはエリザベス女王が存在するからなのである。
イギリスという国は、英語で言うとUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(グレートブリテン島と北部アイルランド連合王国)であり、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという歴史的には異なる国だった4地域から成る国で、ぶっちゃけ日本人はイギリスというとロンドンを中心にイングランドを浮かべる人が多いと思う。
英語だとUKということが多く、イギリス人のことはBritishという。English manなどというとイングランドの男性ということになるので、スコットランド人に言ったら喧嘩を売ってることになる。
とりあえず、日本語がイギリスなのでややこしいけど、イギリスって国はそういう4地域による(スコットランド紙幣があったり、多少異なる体制があるものの”国”と呼ぶほどではないので地域と呼ぶ)連合王国で合わせても6600万人の人口の国である(そのうちイングランドだけで5500万人)。
このへんはW杯なんかでそれぞれが別に出るので知ってる日本人が多いと思う。
それとは別に、
Commonwealthは日本語ではイギリス連邦と訳されるのでややこしいけど、旧イギリス領の国々でエリザベス女王を長としている連合体である。アフリカやカリブ海、アジアにも多岐にわたる。
その中で、エリザベス女王を主権者としてるのは半分以下なのだが
そう考えると桁違いの女王…
ちょっと話が逸れてしまったけど、結構この辺りがあまり理解されていなくて、イギリス連邦(commonwealth)という日本語をイギリス(UK)として使う人がいたりして訂正したくなるので、くどくど書いてしまった。
で、そのcommonwealthの国の中でどれほどの国にまだその習慣が残ってるかはわからないのだが(カナダはかなり昔から廃止されてるらしい)
英国以外にもヅラをつけている国は結構あって、オーストラリア、NZ(こちらは儀式の時だけみたいだけど)、またアフリカのケニヤあたりでも今でもつけてるらしい。
身近なところでは香港でもその慣習が残っているらしく、2008年には廃止の動きがあったものの反対があってまだつけているそうである。
とりあえず、みんな普通にヅラをつけてるから見てみて
英語では、時代劇のことをcostume dramaと言ったりするのだけど、これはもちろん当時の衣装のことを指しているのである。
このドラマは現代ドラマであるにもかかわらず、法廷で法廷弁護士がヅラと法衣服を颯爽と着こなしてるので、そんな日本人からして違和感ありありの習慣を楽しんでみてほしい。
ちなみにヅラをつけるのはBarristerという法廷で色々陳述する弁護士や検事、裁判官だけである。
英国などヅラ弁護士のいる国々にはBarristerとSolicitor(事務弁護士)という2種類の弁護士がいて、solicitorの方は普通のスーツを着ている。
SilkというのはBarristerの中でも、さらに経験を積んで選ばれた
Queen’s Counsel (女王の弁護士)という職位の人たちの法衣服がシルクなので呼ばれてるらしい。
ヅラも2種類あって、よく見る短いヅラと、Full-bottomed wigといって羊みたいな長いヅラがあって、正確な使い分けがわからないが、どうやら高裁や儀式の時はフルボトムらしい。
このヅラ自体は元々は男性のヅラだったと思うが、女性が進出した現代に改めて女性用を作るというのも考えとして時代に逆行しているというわけで、女性のマーサも地毛を見せつつ、このヅラをかぶっている。
実は結構中途半端に終わってるシリーズ
実は私はこのシリーズは昔、第1シーズンを見ていた。それが最近Amazon Primeに出ているので喜んで見始めたわけだけど、第3シーズンを見終わって、まだ続きがあるのかと思いきや、2014年3月に第3シーズンが終わったままだと知って、
「あれ…?」
と思っている(笑)
ただ、このドラマはアメドラみたいに中毒性のあるプロットで見続ける感じではなく、割と1話1話、依頼人(つまり犯罪などの被告人だったり)のドラマに照準を置いている感じがするので、マーサ自身のストーリーはその後も知りたいという残念さがあるけど、大きなストレスがあるわけではない。
留学したこともある英国だけど、そんな恐ろしいマフィアがいるのだろうか、とか、色々英国社会の闇に興味を持つきっかけにもなった。
とりあえず、日本はアメリカエンタメの勢力が大きいのだが、英国ものも面白いのでどんどん見てみてほしい。

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